栄養に関する正しくない神話
パーソナルトレーナーとしてあなたは、多くの栄養神話を聞かされ、それを強く信じるクライアントに数多く出会うことでしょう。しかし、これらの栄養に関する神話は、実際にクライアントの目標を達成を妨げる可能性がああります。現在わかっている事実を伝えてあげることが大切です。以下に、パーソナルトレーナーが遭遇する4つの最も一般的な栄養に関する神話と、研究で実際に明らかになっていることをご紹介します。
神話#1 - グルテンは身体に悪く、減量に影響を与える
グルテンは近年、非常に評判が悪く、多くのクライアントは健康への悪影響を恐れて食事からグルテンを排除したり、グルテンをカットすることで体重が減ると思い込んでいるようです。実のところ、食事からグルテンをカットすると、カロリー摂取量が減る傾向があり、その結果、体重が減少しますが、これはグルテンとは無関係です。これは、セリアック病患者が食事からグルテンを取り除いたときに、実際に体脂肪が増加したことを発見した研究から明らかです1。健康の観点から見ても、クライアントがセリアック病でない限り、グルテンはパフォーマンス、胃腸の症状、健康、炎症マーカーに悪影響を及ぼしません2。また、最近セリアック病と診断されたクライアントがグルテンをカットしている場合、胃腸の健康状態が改善した結果、カロリーの吸収が増加するため、体重が増加する可能性があることを覚えておくことも重要です。
神話#2 - 高タンパク食は腎臓に害を及ぼす
これはおそらく、すべてのパーソナルトレーナーが耳にする最も一般的な神話です。特に、筋肉を構築したり満腹感を高めたりするために、クライアントにタンパク質を増やすよう指導するときに耳にします。この神話は、腎臓が血液からタンパク質またはアミノ酸をろ過するという事実から生まれており、一般の人々は、タンパク質の摂取量を増やすことによって、通常より多量のアミノ酸をろ過しようとする際に、腎臓に追加の負担がかかるのを恐れていることがよくあります。しかし、高タンパク食とそれが腎臓に及ぼす影響については広範な研究が行われています。腎臓に既往症のない健康な人では、高タンパク食は腎臓機能にまったく影響を与えないことがわかっています3。また高タンパク食によって体重が減少する場合、腎機能障害のリスクが減少することもあります4。
神話#3 - 有機食品は健康に良い
農薬や加工のレベルが低い食品がより健康的だろうと考えるのは論理的ですが、有機食品にはその大幅に高い値段分の価値があるのでしょうか? 有機食品は、非有機食品よりも農薬のレベルが低いであろうことは事実です。しかし、非有機食品に含まれる農薬の量が、消費しても安全であると見なされるレベルだということにも注目しましょう5。有機食品が血液中の栄養素レベルとその後の健康に及ぼす影響に関しては、有機食品と非有機食品の間に大きな違いはないようです6。高いお金を出して有機食品を購入したいクライアントがいるかもしれませんが、非有機食品を食べているクライアントも心配には及びません!
神話#4 - 絶食状態で有酸素運動を行うと脂肪燃焼が高まる
おそらくこれも、クライアントのなかで最も広まっている神話の1つです。絶食状態でトレーニングするとき、簡単に蓄えられている脂肪を利用できるという理論です。厳密に言えば、これは実際には真実です。クライアントが絶食状態でトレーニングする場合、そのセッション中の脂肪の酸化が増加します。しかしながら、トレーニングセッション中に脂肪を多く燃焼すると、セッション後には、燃焼が少なくなることが現在、明らかになっています。同様に、セッション中に炭水化物をより多く燃焼すると、そのセッション後に燃焼する炭水化物が少なくなります。これは何を意味するのでしょうか? カロリーこそがすべてであり、セッション中に消費される物質は減量とは無関係です7。
体組成に関しては、考慮すべき最も重要な要素はカロリーです。カロリーを考慮して適切に設定したら、グルテンを食べようが、有機食品を選ぼうが、クライアントのお好み次第です。ただ、その選択が健康やパフォーマンスには影響を及ばさないことを認識してもらうことで、より知識に基づいた選択が可能になります。クライアントの目標が減量か筋肉構築かに関係なく、高タンパク食は重要で、健康であれば腎機能に影響を与えません。多くの人にとって、朝の絶食状態でのトレーニングは便利ですが、ここでも、特に利点はなく、脂肪の減少を促すために食習慣を調整しているというよりは、選択とライフスタイルの問題だということを認識すべきでしょう。
注意:この記事はOptimum Nutrition for Health and Performanceコースを補足するもので、教育のみを目的としています。これはGlanbia Performance Nutritionの意見を反映したものではなく、製品のマーケティングを目的としたものでもありません。
レファレンス:
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